自分らしい供養を一緒に考える 鎌倉新書

悲しみを癒す

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  • グリーフワークとは? グリーフケアとは?

     人は死別などによって愛する人を失うと、大きな悲しみである「悲嘆(グリーフ)」を感じ、何年にも渡って特別な精神の状態が続きます。遺族が体験し、乗り越えなければいけないこの悲嘆のプロセスを「グリーフワーク」と言います。

     この悲嘆の状態は、心が大怪我をしたような状態ですが、自然に治癒の方向に向かいます。遺族はやがて、故人のいない環境に適応して、新しい心理的・人間的・社会経済的関係を作っていきます。「グリーフワーク」を経ることで、人は人間的に成長するのです。

     家族や専門家などがこの「グリーフワーク」のプロセスを支えて見守ることが「グリーフケア」です。

    悲しみを癒す

  • 悲嘆の症状とプロセス

     通常、グリーフワークには数年の期間を必要とします。

     亡くなった直後の無感覚ないしはパニック状態になる「ショック期」から始まって、号泣や怒り・敵意、自責感などの強い感情が、次々と繰り返し表れる「喪失期」、うつ状態に陥る「閉じこもり期」、新たな自分、新たな社会関係を築いていく「再生期」といった具合に、グリーフワークは様々な時期を経ていきます。

     現れる症状も、睡眠障害などの「身体的症状」、思慕のような「心理的症状」、号泣などの「行動的反応」、判断力の低下などの「認知的反応」と様々です。

     「故人の話を避ける」「必要以上に仕事に専念する」「死の細部にこだわる」「引越しや転職などの大きな決断を簡単にする」「孤独を避けるために他人との接触を求める」「医者などに敵意を向ける」「遺族を置いて逝ってしまった故人に怒りを感じる」「充分な看護や孝行ができなかったことや自分が死の原因を招いたのではないかなどと思って自分を責める」などの反応が良く見られます。

  • ケアの仕方

     グリーフケアの基本的な考え方は、悲嘆の反応として現れる様々な感情や行動などを、正常なこととして共に受けとめ、表現することです。

     つい、我々はそれらを良くないことだと説得したり、悲しまないように励ましたりしてしまいがちです。しかし、悲嘆を取り除いたり、解決したりすることはできません。共に故人の死を惜しみ、悲しみ、泣くことが重要です。

     悲嘆の反応が家族の中で違う場合、様々な問題が起こります。

     1人が悲しみで落ち込んでいると、そのためにもう1人は悲しみに耐える傾向があります。すると、落ち込んでいた人が立ち直った時には、逆にもう1人の方には悲しみが襲ってきます。

     また、1人が故人の思い出にひたりたいにもかかわらず、もう1人が忘れようとしていれば、互いに相手を理解できずに衝突してしまいます。

     個々人の悲嘆の表れ方の違いを理解して、互いに相手を思いやる必要があります。

  • 供養とグリーフケア

     家族が亡くなったことを受けとめることは難しいことです。葬儀はそのために大きな意味を持っています。しっかりと故人とお別れをして、送ることで、現実を受入れ、後々に後悔を残さずにグリーフワークを進めることができます。

     仏壇やお墓は故人と対面し、故人に対する思いを確認し新たにするためのきっかけとなりますし、法要は定期的に親族と共に故人と向かい合えます。こういった日本の供養の習慣は、グリーフケア的に見ても大切なものです。

     これらの場では、家族の悲しみを押さえることを目的とするのではなく、故人に対するそれぞれの感情と向かい合って表現できるようにすることが重要です。

     詳しくは、いい葬儀の「グリーフケア」のページもご参照ください。

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