自分らしい供養を一緒に考える 鎌倉新書

供養について考えよう

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 人はお葬式や法要の儀式、仏壇やお墓といった祈りの場を通して、あるいは日常のことあるごとに供養を行います。故人を偲び、冥福を祈り、故人と様々に対話することで、悲しみを癒し、故人との関係を心の支えにすることができます。また、供養の場を通して接した家族・親戚、知人など、人とのつながりを再認識し、その関係を新たにすることができます。

 現在、供養のあり方、スタイルは急激に変化しています。それは、社会の変化や多様化に伴った必然的なものでしょう。各家族が、各個人が、自分たちに合った価値ある供養を見つけ、行うことが望ましいと思います。

 しかし、そのためには、供養にはどんな意味があるのかを考えてみることが大切でしょう。下記に供養の意味について考えてみます。

 「お葬式について考えよう」「お仏壇について考えよう」「お墓について考えよう」のページの内容と重なる部分が多くありますが、各ページと共に参考にしてください。

  1. 1 宗教的意味

     供養の宗教的な意味は、宗教・宗派によって様々です。

     一般的な日本人の考え方では、あの世(浄土・天国・常世・来世など)に故人を送り、そこでの故人の幸せを祈り、また、自分達を見守ってもらうことでしょう。

     日本古来からの先祖信仰の死後観では、故人の魂は子孫の供養によって徐々に浄化されて、やがて祖神と一つになります。

     一般に仏教の考え方では、葬儀は死に際して仏の弟子になり、導いてもらうことで、浄土などの良い世界に送ることです。供養は、良い行いをしてその功徳を故人に振り向けたり、仏様に故人の幸せをお願いするものです。宗派によっては、供養を純粋に仏の教えに触れる機会と考えます。

     菩提寺がある方にとっては、供養はお寺さんにお経を読んでいただくことが、菩提寺―檀家という関係を持っていることの証です。お寺さんに相談ごとをする機会にもなります。

     宗教は信じていない、と言う人は多いでしょうが、頭ではそう思っていても、人生のいろいろな機会に、心では無意識のうちに宗教的なことを気にしていた、と気づく方も多いのではないでしょうか。

  2. 2 精神的意味

     供養は、故人との別れや対話、故人を偲ぶことを通して、故人を失った悲しみを乗り越え、故人との心のつながりを確かなものにし、それを心の支えとして生きる機会になります。

     また、日常とは違った時間を持ち、心を落ち着かせることで、自分自身や生活を見直す機会にもなります。

     それに、供養を通して「死」と向き合うことで、死生観を深め、生を豊かにすることができます。これまでの自分よりも一歩、大きな視点を持つことにが、小さなこだわりや対立を乗り越えることにつながるでしょう。

  3. 3 家族的意味

     供養の場を一緒に持ち、故人やご先祖とのつながりを再認識することで、家族のつながりを深めることができます。また、子供の心の教育にもなります。家族が揃って行う供養の姿は、家族への信頼や、他人に対する慈愛の心を育て、目に見えないものの価値を考える姿勢を育てることがきます。

  4. 4 社会的意味

     葬儀やお墓は、親戚や知人達に故人とお別れをし、祈っていただく場です。故人のことを偲びたいのは、家族だけではありません。

     また、葬儀や法要は、普段会わない親戚・知人と会うことで、間柄を新たにする機会にもなります。

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